未草 (CD)
¥3,300
SOLD OUT
・ 特殊パッケージ仕様
<未草 に寄せて>
未草の夫婦が長野・黒姫で、夢だった未開拓の土地を開墾するプロジェクトの前に、東京の彼らの自宅兼アトリエで僕はギターを弾いていた。
もう10年の月日が経つはずだ。
その時、写真家の大沼ショージさんがカメラを撮影していた。蕪木くんが珈琲を淹れていた。
いよいよ黒姫へ旅立つ直前、アトリエ最後の日も僕はそこでギターを弾いていた。
その後、黒姫へ移住し土地を耕し、彼らが新たな家を作っている間に、僕は冬も夏も通いまたそこでもギターを弾いた。
この土地を感じて音楽を作って欲しいと依頼されたのだ。土地にはギターやピアノだけでなく、民謡に近しい歌が必要な気がした。
そしてLUCAに歌を頼んだ。
LUCAもショージさんや僕と共に黒姫を訪れ、旅をすることで歌が芽吹いていく。
ギターだけでなく、旅に歌が流れることで、よりアルバムはカタチを形成していく。
子守唄のような、優しい歌が。
ある時は母であるstardustのカナさんも訪れ、まだ土地とテントと少しのテーブルしかない場所で、夕餉を囲み、夜はみんなで焚き火の前で歌を歌った。
世界を歌った。
たくさんの星が流れていた。
流れゆく日々の中で、音楽は其処から生まれてくる。焚き火の火のススから、満点の星空から、大きな滝の落ちるところから。
それらの結晶は歌となり、旋律となり、振動になる。ある人たちの物語があり、その現場に行き、生きた香りを吸って、音にして返すのが僕ら旅する音楽家の役割だ。
それがこうして作品という形にしっかりと収められるケースは割と少ない。歌がそのまま流れていってしまうこともたくさんある。
ショージさんが全てを記録して写真と映像をこのアルバムに作ってくれた。
夕の星かげは夕餉の準備の時に生まれた。
牧歌は旅を終え東京から彼らの土地を想い生まれた。
彼らは音楽を愛してくれている。
生活と共にある歌を。
あなたの物語に音楽が鳴っているとしたら、それはどんな音だろう?
彼らは夢を見た。
羊たちを。大草原を。
自由に根を張った生き方を。
それはこんなふうな、歌だった。
haruka nakamura
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「自ら作る暮し」を旨に活動を行う、未草-小林寛樹(造形作家)小林庸子(布もの作家)。
彼らは、2010年より長野 黒姫へ移住し森を開拓している。
土地の木や石や土、集めた廃材で家を建てるため活動する彼らのために、haruka nakamuraがLUCAとともに楽曲制作したのが本作品。
黒姫に赴き、彼らと生活を共にし生まれた楽曲は、いずれも彼らの生活のように美しく自然にたたずむ。
特別装丁のジャケットは、手のぬくもりに溢れ、未草の在り方をそのまま感じさせてくれる。
彼らの想いとともにジャケットを開くとき、暖かさに包まれる。
TRACKLIST
1 ヘリオス / Helios
2 牧 歌 / Prayer
3 禾本の丘 / Kahon Hill
4 old story / old story
5 私は春 / I am spring
6 新しい星 / First star
7 灯 人 / Light keeper
8 未草と夢の馬 / Horse from dream
9 夕の星かげ 〔賛美歌 第3番〕/ Evening star Hymn No.3
10 こどものうた / Children’s song