FOLKLORE (CD)
¥2,750
SOLD OUT
・CD2枚組(うち1枚、特別CD『三月十六日』)
発表2014年
<FOLKLORE に寄せて>
青木隼人さんと初めて会ったのは、西荻窪だった。
雨と休日の3周年で、店主・寺田さんがギタリスト三名を集めた演奏会を企画し、そのメンバーが坂ノ下典正さん、青木さん、僕だった。
以前から青木さんのギターソロアルバムを吉祥寺OUTBOUNDなどで見かけて気になっていたので、寺田さんに、「演奏会前に青木さんと会わせてほしい、そして出来れば一緒に演奏してみたい」旨を伝え、西荻窪りげんどうで演奏会前に出会わせてもらった。
その日の情景を今もよく覚えている。
彼はこれからしばらくインドに旅に行くと話していて、そのために短い坊主頭に刈り込んでいた。自然な気取らない人で、僕はそのスタイルと話し方が好きだった。
「帰って来たらセッションしましょう」と約束した。
幾日か経ち、青山rainy day books cafeの閉店後の時間を、その頃店主だった林下英治さんにお願いして貸してもらい、初めてのセッションが行われた。
まだそれほど会話もまともにしていない状態の、出会ったばかりの二人のとても純度の高い即興セッション。青木さんはアコースティックギターを。僕はガットギターとアップライトピアノを弾いた。その日の録音が、「三月十六日」として、このアルバムには収められている。
帰りの地下鉄で、青木さんは「音と色」の話をした。
君にはGは何色に見えるか、Dはどんな色か。
僕にはこう見えているよ。君はどうだい。
その後、僕らは三軒茶屋の居酒屋・赤鬼で「FOLKLORE」というキーワードを共有し、二人で旅に出ることにした。その日、熱燗を片手に青木さんは「僕はハルカくんを記号としては捉えていませんから」と話してくれた。
一人の人間同士として、旅に出ようということだろう。
それまで、ほとんど旅に出たこともなかった僕は、ここから生活のほとんどが旅になる。
そして旅の中で音楽を作っていくことになる。
青木さんとたくさんの旅を、情景を、夕餉を、日々を共にした。僕らはかけがえのないコンビであり、DUOであり、友人であった。
やがて何年かの月日が経ち、FOLKLOREの旅が一つの終着駅に着き、それぞれの路線を進むことになった。
それでもなお、僕は一人でも旅を続けていった。
車窓の風景からは今も、何処からか二人のギターのアルペジオが聴こえてくることがある。
・CD2枚組(うち1枚、特別CD『三月十六日』)
haruka nakamura
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「幾つかのソングと旅から生まれた音楽。」
ギターとギター、時に ピアノとアンビエンスで
AOKI,hayatoとharuka nakamuraが歩む旋律の旅路が描かれている。
2012年春 、CDショップ「雨と休日」3周年演奏会で出会い、結成されたDUO。
2014年秋 1st ALBUM「FOLKLORE」をリリースし、 "FOLKLORE"と銘打ったDOUでの ライヴツアーを日本各地で行った。
2012年のDUO結成以来、2人は旅を重ねることで出会った人々、見えた風景、経過していった時間、溢れ出す感情を旋律にしながら奏でてきた。
レコーディングは、2人だけでセッションを重ね1曲ずつ楽曲を構築していく作業を 2年近くの間、ライヴ活動と並行しながら行ったもの。
マスタリングは2人がリスペクトするアーティストの1人でもあるsutudio camel house の田辺玄。
AOKI,hayatoは『FOLKLORE』について「人とともにある音楽です。出会いや別れ。よろこび、かなしみといった感情や、 伺った土地でふれた風景から触発されたイメージを、音楽にしています。」と語り、
haruka nakamuraは「旅によって生まれる歌、または歌が生むあたらしい旅。」と。
特典封入の、
もう1枚のCD『三月十六日』は、
AOKI,hayatoとharuka nakamuraが出会ってはじめて行ったセッションの録音をまとめたものです。
旅の始まりの音、そしてある通過点にもうひとつの音。
この二つの音の間にある道のりを感じるための2枚組でのアルバム構成である。
TRACKLIST
1. I
2. days
3. FOLKLORE
4. call
5. メア
6. fog
7. 夕べ
8. 水声
9. もうひとつの時間
10. TALKING
11. 灯り
12. XII
13. coda
14. g
『三月十六日』
1. 二一時二〇分
2. 二一時五七分
3. 二二時三八分